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柴沼 清
日本原子力学会誌, 47(11), p.761 - 767, 2005/11
核融合炉のブランケットやダイバータなどの炉内構造物は、核融合反応時に発生する中性子により放射化され、核融合反応を停止した後でも線の線量率が最大500Gy/hに達する。このため、これらの炉内構造物が損傷したり故障した場合には、人が炉内に近づくことができないために、これらの保守はロボットにより行う必要がある。ここでは、国際熱核融合実験炉ITERを例に取り、核融合炉の炉内構造物の保守を行う代表的なロボットについて、求められる機能や研究開発の現状を紹介する。
武田 信和; 角舘 聡; 中平 昌隆
JAERI-Tech 2004-071, 85 Pages, 2005/02
ITERのダイバータは、保守を容易にするために60個のカセットに分割されており、遠隔保守機器を用いて、90度ごとに設けられた保守ポートを経由して交換される。25トンのカセットは、強い放射線環境の下で、狭隘な空間内での搬送と2mm以下の精度での設置が要求されている。これらの要求に基づき、以下の設計及び試験を実施した。(1)限られた空間での大重量カセットの搬送にリンク機構を適用するための検討を行った。空間的制約と駆動力効率を考慮してリンク角度を最適化し、コンパクトな搬送用機構を設計した。試験の結果、2つの搬送用機構を用いて30トンの搬送に必要な持ち上げ力を達成した。(2)搬送用機構と同様にリンク角度を最適化し、コンパクトなリンク機構をカセットの固定に用いるための検討を行った。試験の結果、設置の際に、初期の位置誤差が5mmの状態から最終的な位置決め精度として0.03mmを達成した。これにより、要求性能である2mmの精度を満足した。(3)搬送装置の実規模試験体を用いて、光ファイバセンサ等によるセンサベース制御の試験を行った。試験の結果、光ファイバセンサを用いて、0.16mmの位置決め精度を達成し、十分な水準の精度を得た。また、仮想現実によって遠隔保守機器とダイバータ等を模擬したヒューマンマシンインタフェースを用いた試験も実施した。
岡 潔; 柴沼 清
JAERI-Tech 2003-004, 57 Pages, 2003/03
ITERプラズマ加熱装置の1つである中性子入射装置(NBI装置)において、負イオンを安定に発生させるためにセシウムが必要となる。しかし、NBI装置を長時間運転したあと、セシウムは電極の支持部分を絶縁する部分(碍子)に付着するため、碍子の絶縁抵抗値が低下し、運転の継続が困難となる。このため、一定期間ごとに碍子部分のセシウムを除去及び清掃する必要がある。NBI装置は、プラズマからの中性子照射によって放射化されるため、遠隔操作によるセシウム除去及び清掃を実施するためのシナリオとセシウム除去装置の検討が必要である。このような背景の下、本報告では、レーザーアブレーション法をセシウム除去に適用した場合の除去手順と、遠隔によるセシウム除去装置の概念設計について、その検討結果を報告するものである。
角舘 聡; 柴沼 清
Fusion Engineering and Design, 65(1), p.133 - 140, 2003/01
被引用回数:11 パーセンタイル:59.28(Nuclear Science & Technology)ビークルマニピュレータシステムの概念は真空容器内の約400個のブランケットを保守するために開発された。本システムの主要な技術課題は、駆動源がない単純な構造からなる多関節軌道を真空容器内へ如何にして展開・収納するかということである。筆者らは、多関節の軌道を展開・収納する手順及び制御手法を提案し、実規模装置を使用して有効性を検証した。多関節軌道は、主駆動系としてのビークルと2つの従属的な駆動系間の過負荷を抑制するためにトルク制限付き同期制御によって展開・収納動作が行われ、提案した展開・収納手法が有効であることを実証した。
本多 力*; 服部 行也*; Holloway, C.*; Martin, E.*; 松本 泰弘*; 松信 隆*; 鈴木 俊幸*; Tesini, A.*; Baulo, V.*; Haange, R.*; et al.
Fusion Engineering and Design, 63-64, p.507 - 518, 2002/12
被引用回数:16 パーセンタイル:69.75(Nuclear Science & Technology)ITERの小型化による遠隔保守シナリオと遠隔操作機器への影響を評価するとともに、その設計成立性及びコスト削減について検討を行うのが目的である。遠隔保守の基本的方針は変更せずに、いままでのR&D成果を最大限取り入れ、遠隔操作機器の設計を行った。また遠隔機器の標準化/共用化と小型化によるコスト削減を目指した。ダイバータ/ブランケット/ポートプラグ等の炉内構造物は、ユニット化された炉内遠隔機器で取り外した後、標準化されたキャスクと搬送装置を用いて真空容器のポートからホットセルへ運ばれ、損傷部を交換した後、逆の手順で再び真空容器内に戻される。ホットセルでは真空容器のポートに類似した標準化したドッキングポートを設置し、そこから構造物や機器を出し入れし、物流及び保守の流れを円滑にした。ユニット化された炉内遠隔機器は必要なときにキャスクと搬送装置で運びポート部で結合することにより、建家に対する影響を極めて小さくすることができた。結論として、小型化ITERに対して成立性のある遠隔保守シナリオが可能であり、その遠隔機器の設計結果を示した。
佐藤 聡; 飯田 浩正; 西谷 健夫
Journal of Nuclear Science and Technology, 39(11), p.1237 - 1246, 2002/11
被引用回数:27 パーセンタイル:83.19(Nuclear Science & Technology)核融合炉ダクト周囲の停止後線線量率評価を目的に、モンテカルロ中性子及び崩壊線輸送計算を応用した計算手法を提案した。即発線スペクトルを崩壊線スペクトルに置き換えることによりモンテカルロ崩壊線輸送計算を行い、崩壊線線量率を評価した。統計誤差を向上させるために、ウェイトウィンドウ法の応用と崩壊線発生位置の特定による分散低減手法を提案した。本計算手法を用いて、ITERメンテナンス及びNBIダクトの遮蔽解析を行った。統計誤差の小さい計算解が得られ、遮蔽設計計算に対する本計算手法の有効性を実証した。また、中性子束の崩壊線線量率換算係数の空間依存性が大きいことを明らかにし、精度良い評価を行うためには本計算手法が必要であることを指摘した。
角舘 聡; 柴沼 清
検査技術, 7(11), p.28 - 33, 2002/11
ITERは核融合反応時に発生する中性子により容器内構造物は放射化される。このため、ITER容器内構造物の保守が必要な場合には、ロボットによる遠隔保守が必要となる。ここでは、ITERの遠隔保守ロボット技術の代表例として、ブランケット保守用ロボットと冷却配管用溶接・切断・検査用ロボットについて述べる。ブランケット保守では、真空容器の回りから4点で支持されたリング状レールに沿って移動可能なロボットにより、ブランケットの保守を行うビークル型ロボットシステムを考案した。ブランケット保守の課題は、(1)駆動源を持たない単純構造レールの真空容器内への展開方法,(2)4tの大重量ブランケットを2mm以内の高精度で位置あわせ可能なセンサー・フィードバック制御方法,(3)4tのブランケットの取り付け・取り外し時における急負荷・急除荷時における衝撃抑制方法である。これらの課題は、新たに開発した制御法等を実規模ロボットに適用し実証試験を行うことにより解決した。また、配管の溶接・切断では、曲がり管にも対応可能な光ファイバーをレーザービームの伝送系に採用し、しかも同一のロボットで溶接と切断が可能なYAGレーザーを用いた冷却配管の溶接・切断ロボットを開発した。本ロボットにより、母管外径100mm(曲げ半径400mm)で板厚6mm,枝管外径60mmで板厚3mmの溶接・切断試験を行った結果、良好な結果を得ることができ、配管用溶接・切断ロボットの成立性を実証した。
伊勢 英夫*; 伊崎 誠*; 大石 晴夫*; 森 清治*; 阿向 賢太郎*; 森山 尚*; 加賀谷 博昭*; 小林 正巳*; 田口 浩*; 柴沼 清
FAPIG, (159), p.10 - 14, 2001/11
国際熱核融合実験炉(ITER)のブランケット等の炉内構造機器を保守する際、水平ポート部に設置された約40tonの遮蔽プラグ等(以下、プラグ)を事前に取り扱う必要がある。その際、遠隔装置による片持ち取扱いが設計条件となる。本稿では実機装置の設計,縮小(1/2.5)モデル製作及び試験結果について報告する。設計では、プラグの最終位置決め精度(1mm)を満足できるよう、走行,把持フックの独立昇降,フック取付アームチルトの4自由度のほか,トロイダル方向の相対位置ずれ(5mm)に対処可能なように受動的コンプライアンス機構を備えた装置とした。縮小モデル制御システムの設計でき、遠隔操作部PCのOSにRT-Linuxを採用してリアルタイムプロセスが実行可能とした。縮小モデルを用いた理想状態(1mm以下の位置ずれ量)での基本試験では、再現性の良いプラグ着脱手順,各軸座標,荷重条件等が明確となり、本装置の機構により片持ち方式による実機プラグの取扱いが可能である見通しを得た。
岡 潔; 多田 栄介
JAERI-Tech 99-055, 138 Pages, 1999/08
核融合実験炉では、3台の中性子入射装置(NBI)が最小半径6.25mでプラズマとの接線方向に設置される。NBI装置は、D-T運転により放射化されるため、遠隔操作による保守が必要となる。このような観点から、これまでに、NBI装置を遠隔にて取り扱うための手順及び各種のツールの設計を行ってきた。本報告では、これまでに検討を行ってきた保守手順に従って、イオン源とフィラメントを取り扱うツール、トランスファーキャスク等の設計及び保守時間、製作スケジュール、コストについて、それぞれ評価を行った結果を報告するものである。
岡 潔; 伊藤 彰*; 田口 浩*; 瀧口 裕司*; 高橋 弘行*; 多田 栄介
JAERI-Tech 99-048, 222 Pages, 1999/07
核融合実験炉において、ブランケットを交換・保守する際、それらに付属する冷却配管をあらかじめ切断し、撤去を行い、その後、新しいブランケットを設置し、冷却配管を再溶接する作業が必要である。また、溶接後は溶接部の健全性評価のための検査が必要である。これら一連の作業は、遮蔽領域の確保と狭小なポートからのアクセスという観点から、新しい作業概念の適用が要求されている。本報告では、これまでに開発を行ってきた枝管用溶接・切断装置について報告するとともに、ブランケットの冷却配管保守に関して、母管用の溶接・切断装置の開発、枝管用非破壊検査装置の開発、枝管用リーク試験装置の開発、溶接・切断・観察を行うことが可能な複合型光ファイバの開発を、併せて報告する。
伊藤 彰*; 小原 建治郎; 多田 栄介; 森田 洋右; 八木 敏明; 佐藤 大*
JAERI-Tech 99-029, 36 Pages, 1999/03
核融合実験炉(ITER)の炉内遠隔保守装置に使用される電気コネクタには、10KGy/hの線環境下で、積算線量100MGy以上の耐放射線性が要求される。また、遠隔保守装置の保守時には遠隔操作による着脱性も伴わせて要求される。そのため、本コネクタは絶縁材にセラミックスを使用し、プラグにはボールベアリングを取り付け、ロボットによる着脱が容易となるよう配慮した。汎用ロボット及び6軸力センサを組合せた着脱試験の結果、円滑な着脱性が確認できた。また、線による絶縁抵抗劣化の原因は、試料表面洗浄後の絶縁抵抗測定及びEPMA法による表面元素定性分析結果から、(1)セラミックス中不純物の拡散もしくは価数測定、(2)セラミックス表面での炭素の付着のいずれかと推測された。今後、詳細に検討を実施する予定である。
中平 昌隆; 角舘 聡; 岡 潔; 武田 信和; 阿向 賢太郎*; 田口 浩*; 瀧口 裕司*; 多田 栄介; 柴沼 清; T.Burgess*; et al.
Fusion Technology, 34(3), p.1160 - 1164, 1998/11
国際熱核融合実験炉(ITER)では、炉内機器の保守は高い放射線のため遠隔操作で行う。特にブランケットとダイバータは高熱と粒子線によって損傷を受け、定期保守を必要とする。ブランケットは遠隔保守を考慮してモジュール化され、重量約4トン、要求設置精度は2mmである。この要求を満たすため、軌道走行式ビークル型マニピュレータの開発を進め、実規模のマニピュレータと軌道展開システムの製作を終了した。ダイバータはカセット構造であり、重量約25トン、据付精度は2mmである。これに対し、実規模のカセット炉内外搬送システムを開発した。本論文ではこれらの設計概要を示し、基本性能試験結果を述べる。
武田 信和; 阿向 賢太郎*; 瀧口 裕司*; 岡 潔; 角舘 聡; 多田 栄介; E.Martin*; C.Damiani*; G.Cerdan*
Fusion Technology 1998, 2, p.1099 - 1102, 1998/00
ITERにおいて、ダイバータは保守交換を容易にするために60個のカセットに分割されており、交換時には各種搬送機器によってホットセルに運搬され、そこで改修等が行われる。搬送機器は真空容器内部での運搬を担当する炉内搬送装置と真空容器外部での運搬を担当する炉外搬送装置とに大別される。ダイバータ保守のR&Dに関しては欧州と日本とで分担しているが、本件では、炉内搬送装置のうち日本国内チームが担当したものについて設計・製作・性能試験の結果を報告する。製作した炉内搬送装置に対して、実機のダイバータカセットの重量(25トン)及び外形(5m1m2m)を模擬した模擬カセットを用いた搬送性能試験を実施した。その結果、カセットの最終的な設置精度が0.5mm以下であり、ITERにおいて要求される2mmの精度を満足していることなどが明らかになった。
多田 栄介; 柴沼 清
J. Robot. Mechatron., 10(2), p.71 - 77, 1998/00
国際熱核融合実験炉(ITER)では、トカマク中心部分がDT燃焼により放射化されるため、遠隔操作による保守・交換技術が重要課題となっている。本件では、ブランケット及びダイバータ等の炉内機器を対象として、保守区分、保守シナリオ、保守条件及び保守方法などITERでの遠隔保守設計の概要について述べる。また、この保守設計の妥当性を検証するために実施している主に炉内機器を対象とした遠隔保守機器の開発計画にについて述べる。
小原 建治郎; 角舘 聡; 岡 潔; 伊藤 彰*; 八木 敏明; 森田 洋右
J. Robot. Mechatron., 10(2), p.121 - 132, 1998/00
国際熱核融合実験炉(ITER)の炉内環境は、強度な線(~30kGy/h)環境にあり、ブランケット及びダイバータ等の保守・交換を行う遠隔保守機器には、高い耐放射線性が要求される。このため、ITER工学R&Dでは、10MGy~100MGyの耐放射線性を持つ遠隔保守装置用機器・部品の開発を目標に、線照射試験を進めてきた。本件では、ITER計画の中で日本ホームチームが分担して進めてきた線照射試験結果について報告する。
中平 昌隆; 高橋 宏行*; 阿向 賢太郎*; 小泉 興一
J. Robot. Mechatron., 10(2), p.116 - 120, 1998/00
国際熱核融合実験炉(ITER)の中心部分を成す真空容器は、超伝導コイル等の異常の際に遠隔操作による交換を想定する必要がある。また、ブランケット等の炉内機器は、計画的な保守交換を想定している。これらの保守交換作業では、炉内環境下で厚板の溶接・切断が要求され、遠隔操作対応の溶接・切断ツールが必要となる。このためITER工学R&Dの一環として、ブランケットの溶接・切断を行う厚板溶接・切断ツールの開発を進めている。本件では、この厚板溶接・切断ツールの開発の現状について述べる。
武田 信和; 岡 潔; 阿向 賢太郎*; 瀧口 裕司*
J. Robot. Mechatron., 10(2), p.88 - 95, 1998/00
国際熱核融合実験炉(ITER)では、ダイバータは計画的に保守・交換を想定する機器に分類され、強度な放射線環境下にて約25トンの重量物を高い精度(2mm)で安定に取り扱う性能が要求される。このため、リフタを内蔵した台車式遠隔保守システムを新たに開発した。本件では、ITER工学R&Dの一環として主に日本チームが進めてきた中央カセット移動装置、隣接カセット移動装置、搬送用キャスク及び二重シール扇の技術開発の現状について報告する。
角舘 聡; 中平 昌隆; 岡 潔; 田口 浩*
J. Robot. Mechatron., 10(2), p.78 - 87, 1998/00
国際熱核融合実験炉(ITER)では、ブランケットは計画的に保守・交換を想定する機器に分類され、強度な放射線環境下にて約4トンの重量物を高い精度(2mm)で安定に取り扱う性能が要求される。炉内に敷設した軌道上を走行するビークル型マニピュレータを用いる方式を新たに開発した。本件では、ITER工学R&Dの一環として主に日本チームが進めてきたブランケット保守に関する技術開発の現状を、実規模開発を含めて紹介する。
岡 潔; 角舘 聡; 武田 信和; 瀧口 裕司*; 阿向 賢太郎*
J. Robot. Mechatron., 10(2), p.139 - 145, 1998/00
国際熱核融合実験炉(ITER)では、ブランケット及びダイバータ等の炉内機器は厳しい熱・粒子負荷を受けるため定期的に保守する機器に分類される。ブランケット用遠隔保守システムには、約4トンの重量物を高い精度で取り扱う性能が、またダイバータ用遠隔保守システムには、約25トンの重量物を搬送し定位置に設置する機能が要求される。ITER工学R&Dでは、これらの保守方式の妥当性を検証するため実規模の遠隔保守機器の開発を進めている。本件では、これらの遠隔保守機器を駆動制御すると共に動作試験を効率的に行うために開発した計測制御装置について記述する。
小原 建治郎; 角舘 聡; 中平 昌隆; 伊藤 彰*
J. Robot. Mechatron., 10(2), p.96 - 103, 1998/00
国際熱核融合実験炉(ITER)での炉内計測・観察は、ブランケット及びダイバータ等の炉内機器の損耗、破損の検査及び炉内保守作業の支援等を主な目的としており、厳しい炉内環境下で長期間使用できる耐久性と精度の高い計測・観察性能が要求される。炉内観察システムについては、観察性能及び耐放射線性などの観点からペリスコープ方式を主案に、またファイバースコープ方式を副案に選定し、技術開発を進めている。本件では、日本ホームチームが担当しているペリスコープ型炉内観察システムを中心に、炉内計測・観察に関する設計及び技術開発の現状について述べる。